仕事のこと、音楽のこと
夜勤のある仕事をしていると、時々、一日という区切りがどこにあるのか分からなくなる。朝起きて、夕か夜まで仕事をして、ご飯を食べて寝て、また朝に仕事へ出る。そんなリズムで生きることがとても羨ましくて、私はなんでこんな仕事をしてるんだろうなーなんて思うときもある。
けれど、職場にいけば尊敬できる先輩と、私に笑顔を向けてくれる誰かがいる。ときには怒号も浴びるけど、それはその人が抱えているものがそうさせているだけだ、と思うようにしている。体がまいれば心も参る。一番辛いのは、それを表に出さず耐えることだと思っている。
はじめましてとさようなら、ありがとうとごめんなさい。人も思いも常に交差してぶつかり合う、つめたくあたたかい場所。
楽しいばかりではない仕事だけれど、自分にとってかけがいのないものであることを、日々感じている。
車で仕事に向かうときには、いつも音楽を聴いている。
専門職として高い水準を求められる場所にいると、緊張感から、自然と出勤前に聞く音楽も殺伐としたものになったりする。そのひとつがハヌマーン。
もう心持は戦場にいくような気分である。
でもときにはまったく逆をいく。
そんなときに聞くのがレキシ。
レキシ - 年貢 for you feat. 旗本ひろし、足軽先生 - YouTube
聴いていると、気付けば浮かれすぎて無理な妄想をしてしまう。
時速100kmで台風がきたらなぁとか、みんな元気になって家に帰れるようにならないかなぁとか。だいぶ厳しい。
仕事終わりに聞く曲もだいたい固定されている。
最近は赤い靴が多い。
今日はここが駄目だったな、あのときあの対応でよかったのかな。
帰り道はだいたい一人反省会をしている。そのあとにこの曲を聴くと、張りつめていた糸がぷっつりと切れて、ほっとできたりする。
「悩んでいることの八割がたは取り越し苦労よ」学生の時から仲良くしてもらっているカフェのお姉さんは、この間そう言って笑っていた。
わたしにできることなんて限られている。人を救うなんて大逸れている。けれど自分が持っているささやかな何かが、誰かの命の歯車を回す手助けになれたら。
いまにも消えそうな命を前にする時、いつも自分の限界を知って、その限界を超えたいと強く思う。
考えること、悩むことは次への踏み台になる。
けれど時には「思い詰めすぎだわ」と笑いとばすことも忘れず、駄目な自分も大切にしながら、前に進めたらいい。
ぼーっとそんなことを考えていたら、いつのまにかそろそろ名札を付ける時間だ。
今日も音楽に背中を押されながら、仕事へ向かう。