ありをりはべり

日常のひきこもごも

2015-01-01から1年間の記事一覧

信じるもの

「オネーサン、カミサマヲ、シンジマスカ?」 それは先月はじめのこと。バス停で、あと20分後に来るという市内線を待っていると、ヘルメットを被り自転車をきこきこ漕いでくる女性外国人二人に声をかけられた。地元でもこの出で立ちの外国のかたというのは目…

かたち

12月なかばの東京は、一昨年の同じ時期と比べてとても暖かかった。 目的地へと向かうまで、準備していた上着は片手に持ったまま、電車に揺られて窓の外をぼんやりと眺める。昨日の曇天とは違い、東から薄く光を抱いてつんと冷えた青色の空。ビルのてっぺんと…

別れの淵

近い身内の間で、別れが続いている。 先日は祖父が亡くなり、昨日帰省し告別式を終えたところである。 祖父は92歳の大往生でこの世を去った。肺炎で入退院を繰り返したが、入院中は色々と文句を言いながらも毎日面会にくる家族に支えられ、最期は洗髪中に…

闇の向こうの光を見に行こう

ついこのあいだ ほんのすこし先 あとどれくらい先かわからない向こう側そんな広い時間軸で 大切な人との別れを感じている。 先日、夏に病に倒れ入院していた叔父が、急逝した。 自宅への退院を目前にしていたのだが、最後は心臓も悪くして、ぜいぜい苦しい息…

一年を経て

言葉には責任を持て。というのは、中学のときに母に言われた言葉である。 当時のわたしと言えば、丁度反抗期真っ只中で「なんか知らないけどお父さんが嫌」「お兄ちゃんも叔父さんも嫌」「でもクラスのあの男の子は好き」そんなカオスな世界を生きていた。何…

故郷

夕方、以前住んでいた町でお世話になった方たちと、ご飯を食べに行った。 海沿いのホテルに並び建つそのイタリアンレストランは、2階までは屋内、3階からはテラス席となっていた。屋内席は禁煙席との説明に、一人煙草を嗜む方が居られた私たちはテラス席…

たびだち

夕刻、真夏のそれより少しだけ早く、藍色のとばりがおりる。 昼間は相変わらずの強い日差しの合間にも、雲が下りれば冷たい風が吹き、雨を連れてくるようになった。 大きいドットに小さいドット。交差する傘の色とりどり。 病院の窓から道路を見下ろすと、そ…

夕日

「本日も、沖縄都市モノレールをご利用頂きありがとうございます」近くもなければ遠くもない。 絶妙な距離と温度感のアナウンスに包まれる、モノレール。 その独特な揺れを感じながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。ビルと住宅の合間を、ゆったりと進む。…

赤いあいつと緑のあいつ。

相変わらずの湿気で蒸し暑い日が続いている。 げんなりしながらも、食材を調達しにスーパーへ向かう。店頭に並ぶトマト、ゴーヤー、おくら等等の色鮮やかなこと。人にとっては殺人的な日差しも、彼らにとっては栄養なのだなとあらためて思ったりする。 強い…

瞳の中の宇宙

自炊をはじめてから、毎週かというくらい通っていたコーヒーやさんには、なかなか行かなくなった。しかし冬にはホットコーヒーが飲みたくなり、夏がくればアイスコーヒーが恋しくなるというのが私のパターンで。 今日は、久しぶりにそのコーヒーやさんへ。席…

雨と、音楽

今年は、例年よりもずいぶん遅い梅雨入りとなった。 イレギュラーな事態としてGWは晴れ、その大型連休が過ぎ去り一週間ほどでやっと、今年もよろしくどんより曇り空にじめじめとした湿気がやってきた。 梅雨は天候のせいで気分まで落ち込むようで、なかなか…

暮らす

3月はじめごろから、色々と縁があって同棲のようなものがはじまっている。 これまで一人で営んでいた生活に、他者の生活が重なると言う、日常でありながら非日常な日々。食事は自炊が殆どとなり、外食だらけだった私の生活はそれだけでもがらりと変化を見せ…

アニミズム

見方を変えれば、目に写る景色はいくらでも変化できること 忘れはじめたのは、いつごろだったか。仕事帰り 自分の足下を走る、横断歩道の白い線 等間隔に並ぶその白線を、横に走っている、と認識したのはいつごろだっただろう。振り返れば小さいころ 私はと…

ベクトル

時々思うのは、いま自分は人生のどの地点にいるのだろうかということだ。 例えば、あと数か月後とか数年後だとかに、大きな事故にあったり病気にかかって亡くなってしまえば、いま生きているこの時間は終わりを目の前にした時、ということになるし その反対…

3月の森

先日より、友人(と恐れ多くも呼ばせていただきます…)の展示が始まっている。 三月はじめの展示開催から、普段は店主セレクトのジャズの本などが並んでいる白壁は、友人による繊細な切り絵と水彩の淡い色合いで彩られている。 冬の終わりへと向かう沖縄、日…

それでは夢を見に行こう

今日は、大好きな作家さんの展示を見て 夢、についてふとを思いを巡らせた日だった。 思えば小さな時から怖い夢を見ることが多くて、夜がこわかった。それはきっと、夜になれば母がよく枕元で聞かせていた自作の小話のせいだ。「眠れない子のところには、眠…

好き、を伝える。

夜勤明けの今日。 以前古着屋さんで購入したワンピースを着て、行きつけのカフェへ向かった。 昨日夜勤中に考えていたのは、買ってからまだ一度も着ていないそのワンピースのことと、次の休日にはそれを着ていつものカフェに行こうという計画で。 どんな辛…

冬のせい

当たり前だが、冬は寒いものだし、毎年暑さと寒さのサイクルは周期でやってくる。 なのに、いつまでたっても余裕をもってこの季節を迎えることができない。これまではそれを寒さに対応できない極度の冷え性のせいだと思っていたのだが 最近体質的な理由だけ…

陽だまりの図書館

例えば、一緒にいるだけで心がぽかぽかになったりすごく体にいいものを頂いたような気分になる そういう人が、身近にいるだろか。 私は人に恵まれている。 周りには幸いにして(本当にこれはひとに自慢できるレベルで)、優しくて温かな人が多い。 なかには…

AからBへ行くまでに

文章を書いているといつも思うのは、タイピングのスピード、改行のスピード、変換のスピードが自分の思考の早さと合わない、ということだ。 私は、だらだらながったらしく文章を書いてしまうというくせがあって(つまりはまとめるのが下手だと言うこと、ちな…

キャベツの朝

音楽はだいたいなんでも聴くし、自分の好みの音楽に出会うと、堪らなくうれしい。 なかでもとくに、季節やある特定の時間帯だとか景色だとかを思わせる曲には惹かれる。 その日、その時でぜひ聴かなければと。自分が思うイメージの中で音を楽しむいつか、を…

アイデンティティ

ロックが好きです。 そんなことをいうと、大抵の人に意外だという顔をされる。 本が苦手です、と答えるときも一緒。 落ち着きがなくていつも焦ってるんですと打ち明けても。 以前はずいぶん、周囲からの「こういうはずでしょ」像に左右されていて音楽の趣味…

哲学の始まり

以前ブログにも書いたのだけれど、私は話し方が沖縄の人らしくない、標準語寄りらしい。周囲が沖縄なまりや方言を使うなか、それは少し特異に映るらしく、何故か標準語っぽいしゃべり方をするだけで頭がよさそうに見えるなどと友人は言っていた。 わたしの…

andymoriについて

昼さがり。 ぶらぶらと那覇市内をさまよっている際、ふとandymoriが聞きたくなった。携帯でちょうど開きっぱなしだったyoutube。すいすいスクロールしながら曲選びをしていたのだが、探しながら「そういえば解散しちゃったんだよなぁ」と寂しい気持ちになっ…

なりたい自分にきづくとき

自分自身の配慮の無さというか、機転の無さというか。 そういうものに気づく瞬間、ああまたやってしまったんだと、胸が少しばかりちくりと痛む。 今日は、車に乗っているときに対向車にうまく道を譲れなかった。 朝、家を出た時、道ですれちがう小学生があ…

生成色の記憶

ひどく落ち込んでいるときには、ささいな出来事にも心に追い打ちをかけられてしまう。 それは、アパートの郵便ポストがなぜか上手く開かないときであったり やたらエントランスにチラシが落ちていたり そろそろ換えどきなのであろうエレベーター前の蛍光灯が…

1月6日の音楽

新年の記事にはリトルダンサーを貼ろう、と思っていたのに忘れていた…。 【MV】 リトルダンサー/セカイイチとFoZZtone [Official] - YouTube FoZZtoneはもう中学生くらいから聞いている。聞きはじめは「エレベーター」「春と鉛」だった。それから「平らな世…

くまさんへ会いに

学生の頃住んでいた海辺の町に、行きつけのカフェがある。 中華、洋食、和食と様々な料理を学んできた店主が作る料理は多種多様。 席に座るとあちらこちらのテーブルから様々な香りがしてくる。ナンプラーのアジアンな匂いがすると思えば、デミグラスソース…

こんにちは、2015

大晦日か元旦の1日どちらかには、昨年のまとめと今年の抱負みたいなものを書こう、と思っていた。 だが31日は思っていたより忙しくて書けず、1日は夕飯のあとに猛烈な眠気が襲ってきて、仮眠をしたら日付が変わっていた。 初夢も見れず深夜2時に目覚め…