ありをりはべり

日常のひきこもごも

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

影が射す

お昼ごはん、訪れたカフェ。 いつも座るカウンター席が埋まっており、テーブル席に座った。 窓から零れる午後の日差しが、木製のテーブルを優しく照らしている。窓際に並べられた、猫の置物、数冊の雑誌と文庫本、桃色の花の一輪挿し。 お日様の光を受けて、…

女の子になりたかった

ワンピースが好きで、洋服屋さんにいくとつい見入ってしまう。 気付けば季節を巡るごとにコレクションは増えていく。 クローゼットの中並ぶ、様々な柄の、色とりどり。 …そういえば、ワンピースを着だしたのはいつ頃のことだったか。 クローゼットの前でぼ…

川沿いを歩く

午後8時。 少し湿った秋の風が吹く中、川沿いを歩いていた。 ふと斜め上を見遣れば、モノレールが頭上を過ぎていくところだった。次第に暮れ始める藍色の空に、モノレールの丸いフォルムが溶けていくようで 漫画「銀河鉄道999」のなかで、列車が夜空に消え…

毎日明るいことつづきではないし、綺麗なことばかり思えるわけではない。理想はやっぱり笑って過ごしたいと思っても、なかなか表情筋が追いつかない時もある。 そんなときは、無理やり笑う自分にもかなしくなる。 けれど悲しいと嬉しいも、痛いも幸せも、実…

ハダ色の日々

兄のお嫁さんに子供ができたらしい。 このところ体調が悪そうな様子が伺えていたので、なんとなく感づいてはいた。それでもやはり心配もあって、病による不調ではなかったことをほっとすると同時に、じわじわと心の中に温かさがうまれた。 大切な人に大切な…

焼き鳥屋 筑ぜん

昨年、友人の結婚式に呼ばれ一人福岡に赴いた時。 福岡について予習なしで来てしまったため、案の定、結婚式が終わった夜は滞在先の博多駅近くのホテルで何をすべきかぐるぐる悩んでしまった。 そのうち夜は更けていってお腹はぐうぐう鳴り始め、仕事終わり…

値段

コンビニに陳列されている駄菓子を見て「こんな安い値段で売られる駄菓子の気持ちってどんなもんだろう」とふと思ったことがある。まわりは数百円単位のなか、自分につけられる値段は数十円。 なかでもチロルチョコやガムなんかの最小部類は、一位二位を争う…

感謝をこめて

4月、仕事で全く知らない領域に一人で飛び込むことになり「なにがわかっていないのかもわからない」 そんな負のループが絶え間なく続いた。周囲に迷惑をかけてばかりで、どんどん自分が嫌いになっていた。忙しさから不規則な生活はさらに不規則になり、自炊…

台風過ぎて

昨日、沖縄に台風19号が上陸した。 その日私は案の定仕事で、職場の先輩はテレビの気象情報を見ながら「なんとかパスカルとか言われてもイメージわかないし、よくわかんないのよー」と言っていた。 その横で、私は液晶画面に映し出される台風の進路図と「92…

こいをするひと

(一) 夕暮れ時 目の前を、高校生らしき男の子と女の子が歩いていた。 互いの手が、触れそうで触れない距離でゆらゆらしている。二人の間に言葉はない。狭い歩道で、私は横を通り過ぎることもできず、というか目の前の手と手の動向が気になってしまって、後…

笑うこと

私はよく、人から物をもらう。 最近は、この夏泊まった草津の旅館から、大量のとうもろこしや採れたてのキャベツを。 よくいくカフェの常連さんから、福岡の明太子、しろくま、ラーメンやらを頂いた。 道端で出会った人からもらうことも多い。 スーパーで豆…

温度の記憶

温度で呼び覚まされる記憶は、柔らかく、鋭い。 小さいころ、祖父母のうちへ遊びにいくたび、帰る頃にははしゃぎ疲れて寝こけてしまっていた。我が家は団地の四階だったのだが、父は寝息をたてる私をいつも背におぶり団地の階段を上ってくれた。 そのあたた…

偶然と必然

先月末のことだ。 最近通い始めた珈琲やさんがとある展示をするということで、仕事終わりに伺った。 言葉によるその展示は、日記のようであり、短編小説のようであり、誰かのなにげない呟きのようであり… 普段何気なく使っている言葉の、様々な可能性につい…

HAPPY

祖母が亡くなった時、人っていつ死ぬかわからないんだなぁ…と思った。 神様的存在だった忌野清志郎さんの訃報を聞いた時、神様さえも死んじゃうんだなぁ…と呆然とした。 -------- 祖母に対して「ありがとう」と思う瞬間が、たくさんあった。 それは、細い指…

うれしいこと、諸々

今日は普通の日記をつらつらと、、 昨日、いつもお世話になっている珈琲やさんオススメのカフェ首里にある「食堂黒猫」さんへ行ってきました!久しぶりの首里の坂、、!まるで修行。首里に住む人はやっぱりすごい。 迷って人様のおうちの庭に入っちゃったり…