ありをりはべり

日常のひきこもごも

雨と、音楽

 

 

 

今年は、例年よりもずいぶん遅い梅雨入りとなった。

 

イレギュラーな事態としてGWは晴れ、その大型連休が過ぎ去り一週間ほどでやっと、今年もよろしくどんより曇り空にじめじめとした湿気がやってきた。

 

梅雨は天候のせいで気分まで落ち込むようで、なかなかこの季節が好きだという人には出会ったことがない。

 

私はというと、やはり肌がべたつくやら服がぬれるやら洗濯物が乾かないやらの理由で、そう好みではないわけだが。

しかし雨そのものはむしろ好きで、梅雨は苦手といいつもなぜか外に出かけたくなってしまう。

 

降りしきる中傘をさして道を歩き、傘の上で雨粒がはじける音を聴きながら、足を踏み出すたびに足元で上がる幾つもの細かなしずくと、水面が揺れるさまを見る。

 

頬にあたる空気は、冬のそれとはちがった湿りけを交えた冷たさを持っていて。

なんだかそれが、冬でも夏でもない季節の真ん中を感じさせて、ちょっとした特別感があるようで心地よい。

 

勢いよく斜めに走る雨粒が、待ちゆく人のさす色とりどりの傘を雨独特の白へ染めていくさまも、なんとなくいつも見入ってしまって。

自然はすごいなぁとなんだか感動してしまったりする。

 

雨粒など、当たってしまえばすぐにはじけてしまう、存在していた形のまま手に持つこともできない脆いものだ。

けれど自然の不思議が、それを脆いと思わせない。

 

梅雨は、雨の織り成す景色とその存在感をひしひしと伝えてくれる季節であると思う。

 

そしてそんな少々特殊な時期は、通勤途中で聞く曲も自然と雨の似合う曲などを選んでいる。

先日も車内である曲を聴いていたのだが、あぁこの曲は雨だ、とあいていた本棚にぴったり入る本を見つけたような気持ちになった瞬間があった。

 

 

雨に似合う曲、皆はどんな曲を思い描くだろうか。

 

......個人的に、友人の選曲なども参考に、雨に聞くオムニバスなんか作りたいなと思いを巡らせてみる。

 

では、今日も窓の外より雨粒の音を聞きながら。

 


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