笑うこと
私はよく、人から物をもらう。
最近は、この夏泊まった草津の旅館から、大量のとうもろこしや採れたてのキャベツを。
よくいくカフェの常連さんから、福岡の明太子、しろくま、ラーメンやらを頂いた。
道端で出会った人からもらうことも多い。
スーパーで豆腐を選んでいたとき「ここの豆腐がいいのよ!」とずいずいお勧めしてきたおばちゃんからは、何故か百合の花をもらった。
学生のころ、バス停で出会ったおばあちゃんからは、果物とおばあちゃんの息子の写真をもらった。(うちの息子の嫁に来てくれということだったらしい、丁重にお断りしました…)
北部からきたというマダム二人に道をきかれて案内したら、お礼にと高級なレストランで食事を頂いたりもしたし、
台湾からきたという観光客の方が、バス停の時刻表の見方がわからず困っていたので説明したら、謎の赤いお菓子をもらった…。
特に何をしたというわけではないなと思うので、いつも不思議でならない。
けれど最近、職場の先輩に、不意に「なにかをあげたくなる、と思うような雰囲気があるよね」と言われた。先輩いわく「いつも笑っているから、喜ぶ顔がすぐ想像できるし何かをプレゼントしたくなる」らしい。
とても照れてしまって、一瞬何も言えなくなった。
専門職として高い水準を求められる場では、私のようなペーペーの新人にできることは限られている。技術も知識もぺらぺらな自分にできることといえば、基本的な看護と、緊迫する場面の多いフロアの空気を少しでも悪くしないよう笑顔を絶やさないことくらいだと思っている。
「笑う」なんて些細なことだけれど、まわりから見て先輩が言っていたような印象をもたらしていたのなら、本当に嬉しい。
中学のころから大事にしている言葉に「一日三笑」という言葉がある。そのまんまの意味で、なにがあっても一日三回は笑いなさいよという言葉なのだが、疲弊しきってすごい顔になってるないま。と思うときなどは、この言葉を思い出して背筋を伸ばすようにしている。
いい笑顔だね、と患者さんやご家族さんに言われるとき
とてもとても嬉しくて、気付けばまた笑いが零れる。そうやって笑いが笑いを生むとき、笑うことが出来てほんとによかったなあ、と思う。
最近、笑うことが当たり前になりすぎて、気を抜くと笑ってはいけないところでふっと笑ってしまい、たまに患者さんに「何笑ってんだ」と怒られる時がある。それは今後の課題として…
あの看護師笑ってばっかで変なやつだなぁでもなんでもいいので、不安を抱えて入院してくる患者さんが、ふっと笑う間を作れたらいいなと思う。
「いつも笑っているよね」
は、私にとって最大の褒め言葉である。
今後も、笑顔が生むひとときを大事に、過ごしていけたらいいなと思っている。
チーナ / Granville Island Market - YouTube