ロックな父
我が家は全員音楽好きである。
父は仕事の傍ら趣味でロックバンドのギターボーカルをしており
母はピアノ、兄はベースとギター、私はベース・ピアノ、高校三年間は民謡なんかも習っていた。
朝は父が爆音で流すビートルズかツェッペリンか忌野清志朗、もしくはピーターバラカンのラジオで目覚める。
朝からBSでロック特集なんかやっている日は、リモコンは父が握りしめていた。幼稚園生の時、一度そのタイミングで「ポンキッキーズが見たい…」と父に伝えたことがあり、何とも言えない悲しげな目で見つめ返され、幼心にそれがタブーであることを知った。
そんな父の影響を受け、私は周囲の同級生に比べ色々な音楽に触れることができた。父はロックだけでなくジャズやらクラシックやらはたまた民族音楽やらストライクゾーンが広く、よくライブにも連れていってくれた。
わたしの音楽の趣味が「なんだか定まらない」と言われるのは、この生い立ちもあるんじゃないかと思う。
私が地元を離れ一人暮らしを始めてからも、父は、たまにする電話の向こうでおすすめの音楽を語る。
三か月前のおすすめは「ママドライブ」と「中山うり」だった。
ママドライブ
【ライブPV】MAMADRIVE 「welcome to night」 - YouTube
なんだこれめちゃくちゃかっこいい。さすが父。
まさか牛舎で牛の世話をしながらこれを聴いているのか…(実家は畜産業)
中山うり/『ホタル』 PV アニメーション by 土屋萌児 - YouTube
いい音楽、そして土屋さんも素敵だ。湯川潮音が好きな兄も気に入りそうなので今度おすすめしてみることにした。
そして先月も父から電話が入り話していると
「お父さん最近なー、はまってるバンドがあるんだよなー
八十八ヶ所巡礼っていうんだけどさ。」
八十八ヶ所巡礼…!!
今年はすごい牛が育ちそうだな…
と実家に思いを馳せた日だった。
先日、そんな父も56回目の誕生日を迎えた。
誕生日当日、母から「お父さんにおめでとうって言いなさいよ、誰も言ってくれないから」と気遣っているのか隠れた嫌みなのかよくわからないメールがはいっており、
仕事終わりにおめでとうの電話を入れると「向井秀徳みたいな男は連れてくるなよ…」とさみしげに呟かれた。いったい何があったのだろう。
電話の向こうで母が爆笑しているのが聞こえて、今日も実家は平和なんだなぁ…と取り敢えず落ち着いた。
*今日の嬉しかったこと
起床後すぐ、プラウマンズランチベーカリーに行きたいと思い立って、夜勤前に北中までいったものの、途中で「今日パンの気分じゃないや…」と気付く。
結局店を目の前にして那覇まで引き返し、いつもお邪魔しているあめいろ食堂にて秋刀魚の塩焼き定食とアイスコーヒーとかぼちゃプリンを頂いた。
全部おいしかったけれど、特にかぼちゃプリンが劇的旨さだったので、今日の無駄ドライブは無駄ではない、と思えました。ありがとうございました。