ありをりはべり

日常のひきこもごも

冬のせい

当たり前だが、冬は寒いものだし、毎年暑さと寒さのサイクルは周期でやってくる。 なのに、いつまでたっても余裕をもってこの季節を迎えることができない。これまではそれを寒さに対応できない極度の冷え性のせいだと思っていたのだが 最近体質的な理由だけ…

陽だまりの図書館

例えば、一緒にいるだけで心がぽかぽかになったりすごく体にいいものを頂いたような気分になる そういう人が、身近にいるだろか。 私は人に恵まれている。 周りには幸いにして(本当にこれはひとに自慢できるレベルで)、優しくて温かな人が多い。 なかには…

AからBへ行くまでに

文章を書いているといつも思うのは、タイピングのスピード、改行のスピード、変換のスピードが自分の思考の早さと合わない、ということだ。 私は、だらだらながったらしく文章を書いてしまうというくせがあって(つまりはまとめるのが下手だと言うこと、ちな…

キャベツの朝

音楽はだいたいなんでも聴くし、自分の好みの音楽に出会うと、堪らなくうれしい。 なかでもとくに、季節やある特定の時間帯だとか景色だとかを思わせる曲には惹かれる。 その日、その時でぜひ聴かなければと。自分が思うイメージの中で音を楽しむいつか、を…

アイデンティティ

ロックが好きです。 そんなことをいうと、大抵の人に意外だという顔をされる。 本が苦手です、と答えるときも一緒。 落ち着きがなくていつも焦ってるんですと打ち明けても。 以前はずいぶん、周囲からの「こういうはずでしょ」像に左右されていて音楽の趣味…

哲学の始まり

以前ブログにも書いたのだけれど、私は話し方が沖縄の人らしくない、標準語寄りらしい。周囲が沖縄なまりや方言を使うなか、それは少し特異に映るらしく、何故か標準語っぽいしゃべり方をするだけで頭がよさそうに見えるなどと友人は言っていた。 わたしの…

andymoriについて

昼さがり。 ぶらぶらと那覇市内をさまよっている際、ふとandymoriが聞きたくなった。携帯でちょうど開きっぱなしだったyoutube。すいすいスクロールしながら曲選びをしていたのだが、探しながら「そういえば解散しちゃったんだよなぁ」と寂しい気持ちになっ…

なりたい自分にきづくとき

自分自身の配慮の無さというか、機転の無さというか。 そういうものに気づく瞬間、ああまたやってしまったんだと、胸が少しばかりちくりと痛む。 今日は、車に乗っているときに対向車にうまく道を譲れなかった。 朝、家を出た時、道ですれちがう小学生があ…

生成色の記憶

ひどく落ち込んでいるときには、ささいな出来事にも心に追い打ちをかけられてしまう。 それは、アパートの郵便ポストがなぜか上手く開かないときであったり やたらエントランスにチラシが落ちていたり そろそろ換えどきなのであろうエレベーター前の蛍光灯が…

1月6日の音楽

新年の記事にはリトルダンサーを貼ろう、と思っていたのに忘れていた…。 【MV】 リトルダンサー/セカイイチとFoZZtone [Official] - YouTube FoZZtoneはもう中学生くらいから聞いている。聞きはじめは「エレベーター」「春と鉛」だった。それから「平らな世…

くまさんへ会いに

学生の頃住んでいた海辺の町に、行きつけのカフェがある。 中華、洋食、和食と様々な料理を学んできた店主が作る料理は多種多様。 席に座るとあちらこちらのテーブルから様々な香りがしてくる。ナンプラーのアジアンな匂いがすると思えば、デミグラスソース…

こんにちは、2015

大晦日か元旦の1日どちらかには、昨年のまとめと今年の抱負みたいなものを書こう、と思っていた。 だが31日は思っていたより忙しくて書けず、1日は夕飯のあとに猛烈な眠気が襲ってきて、仮眠をしたら日付が変わっていた。 初夢も見れず深夜2時に目覚め…

好きなタイプについて

「好きなタイプってどんな人?」先日、友人と食事の際そんな話になった。 女の子同士での話題と言えばやはり恋の話が多く、特にこの手の話はその話題ランキングのなかでも上位に入ってくるものかと思う。 そして、私は毎回のごとくこの話題に悩まされている…

プレゼント

数ヵ月に一回、家族へささやかな贈り物をしている。それはたいてい、美味しいお茶だとか、島には売っていないお菓子だとかそんな小さなものだけれども。 必ず包みには手紙をそえて、宛名は家族みんなの名前を書く。思えば島を出るまでは、こうして家族になに…

その一杯

実家に帰ると、両親からほぼ100パーセントの確率で「珈琲がのみたいなぁ」とつぶやかれる。 それは決まって、リビングに私と両親しかいないときで。 何年も続いたパターンから、このつぶやきが「淹れてくれるよね」という言葉を含んでいるのを、知っている。…

湯気

湯気が、好きである。 ふわりと立ちのぼり、いつのまにか空に消える儚さ けれどどんな鮮やかな色も白で染める、その存在感。 いつものお店で頂く珈琲。 トレイに乗せられて運ばれてくる間にも、柔らかく、ゆらゆらと湯気が踊っているのが見えて。 私は、す…

朝を迎える

朝が好きだ。 うすく雲が見える程の真っ黒な空から、じわじわと色がでてくる、その時間が好きだ。 まだ空が白んでいる中でも、新聞配達のおじさんは町を走り、早く出勤する人は車やバイクに乗って信号待ちをしている。 道に出れば子供の声がどこからか聞こえ…

ジョハリの窓

昼、那覇から飛行機にのり故郷の島に帰ってきた。 空港に降り立つと那覇をたつ前に見たのと同じ、どんよりした灰色の空と厚い雲が、頭上から重くのし掛かっていた。 町外れの空港から市街までの道のりは、枯れた草原と畑が延々と続いていて、余計に空気が淀…

幸福な失敗

数日前から、大阪に住む友人が沖縄に来ている。 さまざまな向かい風に耐えながらも仕事をバリバリこなす彼女。色々事情はあるのだけれど、なんだかんだで三カ月に一回は沖縄を訪れている。 今回彼女が来沖する初日は、仕事を早く終わらせ合流。「焼き肉食べ…

なぜなぜ攻撃と当たり前のこと

「最近、色んな言葉を覚えだしてね あれは?これは?ってなぜなぜ攻撃なの。 いつも子供とは知恵比べだよ」 神奈川に住むいとこのお姉さんは、電話の向こう側でそう笑っていた。お姉さんの声のうしろ、今年5歳になる娘ちゃんの笑い声が耳に心地良かった。 …

影が射す

お昼ごはん、訪れたカフェ。 いつも座るカウンター席が埋まっており、テーブル席に座った。 窓から零れる午後の日差しが、木製のテーブルを優しく照らしている。窓際に並べられた、猫の置物、数冊の雑誌と文庫本、桃色の花の一輪挿し。 お日様の光を受けて、…

女の子になりたかった

ワンピースが好きで、洋服屋さんにいくとつい見入ってしまう。 気付けば季節を巡るごとにコレクションは増えていく。 クローゼットの中並ぶ、様々な柄の、色とりどり。 …そういえば、ワンピースを着だしたのはいつ頃のことだったか。 クローゼットの前でぼ…

川沿いを歩く

午後8時。 少し湿った秋の風が吹く中、川沿いを歩いていた。 ふと斜め上を見遣れば、モノレールが頭上を過ぎていくところだった。次第に暮れ始める藍色の空に、モノレールの丸いフォルムが溶けていくようで 漫画「銀河鉄道999」のなかで、列車が夜空に消え…

毎日明るいことつづきではないし、綺麗なことばかり思えるわけではない。理想はやっぱり笑って過ごしたいと思っても、なかなか表情筋が追いつかない時もある。 そんなときは、無理やり笑う自分にもかなしくなる。 けれど悲しいと嬉しいも、痛いも幸せも、実…

ハダ色の日々

兄のお嫁さんに子供ができたらしい。 このところ体調が悪そうな様子が伺えていたので、なんとなく感づいてはいた。それでもやはり心配もあって、病による不調ではなかったことをほっとすると同時に、じわじわと心の中に温かさがうまれた。 大切な人に大切な…

焼き鳥屋 筑ぜん

昨年、友人の結婚式に呼ばれ一人福岡に赴いた時。 福岡について予習なしで来てしまったため、案の定、結婚式が終わった夜は滞在先の博多駅近くのホテルで何をすべきかぐるぐる悩んでしまった。 そのうち夜は更けていってお腹はぐうぐう鳴り始め、仕事終わり…

値段

コンビニに陳列されている駄菓子を見て「こんな安い値段で売られる駄菓子の気持ちってどんなもんだろう」とふと思ったことがある。まわりは数百円単位のなか、自分につけられる値段は数十円。 なかでもチロルチョコやガムなんかの最小部類は、一位二位を争う…

感謝をこめて

4月、仕事で全く知らない領域に一人で飛び込むことになり「なにがわかっていないのかもわからない」 そんな負のループが絶え間なく続いた。周囲に迷惑をかけてばかりで、どんどん自分が嫌いになっていた。忙しさから不規則な生活はさらに不規則になり、自炊…

台風過ぎて

昨日、沖縄に台風19号が上陸した。 その日私は案の定仕事で、職場の先輩はテレビの気象情報を見ながら「なんとかパスカルとか言われてもイメージわかないし、よくわかんないのよー」と言っていた。 その横で、私は液晶画面に映し出される台風の進路図と「92…

こいをするひと

(一) 夕暮れ時 目の前を、高校生らしき男の子と女の子が歩いていた。 互いの手が、触れそうで触れない距離でゆらゆらしている。二人の間に言葉はない。狭い歩道で、私は横を通り過ぎることもできず、というか目の前の手と手の動向が気になってしまって、後…